肥満は万病のもと 肥満とは体重が重い状態ではなく、体脂肪の割合が多い状態を言います。 平成11年の国民栄養調査によると、 男女共に中高年の実に30%が肥満であるという結果が出ています。 食生活が豊かになり、それにつれて生活習慣に関係する病気が増えていますが、 その大きな原因が肥満です。食べすぎが肥満を招き、糖尿病、高血圧、 高脂血症といった病気を引き起こしています。 したがって肥満を解消することは病気の予防になるわけです。 肥満の原因は、基本的に1日の摂取カロリーが消費カロリーを上回ることが原因です。 ですからダイエットを行う際には食事制限で摂取カロリーを抑え、 運動をしてエネルギーを消費するという2つを組合わせることが効果的です。 この原則を無視したダイエット法が世の中に氾濫していますが、 これに反するものはまずインチキだと思って間違いないでしょう。 ダイエットというと、すぐに食事の回数を減らす人がいますが、 それはむしろ逆効果です。 食事回数は減らさずに食事の量を減らすことがダイエットの基本です。 回数を減らすと少ない栄養素で身体を保とうとする身体の防衛反応が現れ、 効率よく維持しようとしてしまいます。そうすると体重はあるところまで減りますが、 その後は同じように食事をしていても1ヶ月ぐらいで体重は減らなくなります。 これを適応現象といいます。 食事の量を減らす時に考えなくてはならないのが栄養バランスです。 バランスの悪い食事は減量には成功しても肌荒れや便秘、 貧血、生理不順などを起こしてしまいます。 例えばこんにゃくやサラダなどで減量していては、 やせることはできても必要な栄養素が足りないために筋肉や骨量も減少し、 とても健康ではいられません。 健康的にやせる為には、必要な栄養素は減らさずエネルギーだけを減らす穏やかなダイエットが理想的です。目安として1ヶ月に体重の5%の減量を行えば無理のないペースです。 決してアミノ酸を飲んだり、ビタミンB2を飲みさえすればやせるという訳ではありません。 では1ヶ月に1kgやせるのには食事量をどのようにしたらよいのか科学的に解説していきます。人の脂肪成分は純粋な脂肪80%と水分20%からなります。 また純粋な脂肪1gは9Kcalですから、1kgの減量は 9(Kcal)×1000(g)×0.8=7200(Kcal) となり、7200Kcalをマイナスにすればよいことになります。 これを1ヶ月で実行するには、7200÷30=240 となり、 1日で240Kcalの食事制限となります。そう考えると簡単でしょ? さて1日の摂取カロリーを抑える目安はわかりました。ただし気をつけたいのが、 いくらバランスがよい食事でも減らす限度があると言うことです。 食事の量を極端に減らして短期間に急激に体重を落とすようなダイエットは、 筋肉が減少し、基礎代謝(生きていくために必要なエネルギー消費量)の低下も招きます。 ダイエットを止めるとすぐにもとの体重に戻ったり、 ダイエットを始める前よりも太ってしまったりするのはこの為です。 これをリバウンドと呼びますが、 エネルギーを最も消費する筋肉が減るために同じ食事でも脂肪ばかりが増えることになります。 そこでまた間違ったダイエット法で食事を減らす→筋肉が減る→適応現象で体重変化がなくなる→基礎代謝が低下する→元の食事に戻す→前より太る・・・・これを繰り返していては本当にやせにくい身体になってしまいます。 これをウエイトサイクリングと呼びます。 ○ビタミンやミネラルの不足を防ぐ : 野菜やきのこ、海藻類などを多めに摂りましょう ○食物繊維をたくさん摂る : 穀物や食物繊維を多く含む野菜をたっぷり食べましょう ○調理方法を工夫する : 素材が同じでも、揚げる:+180Kcal、炒める:+45Kcal、 煮る:−23Kcal、ゆでる:−45Kcal と差が出ます。 ○ゆっくり食べる : 脳は血糖値の上昇で満腹感を覚えます。 だいたい10〜20分で血糖値が上昇してきますので、早食いすると満腹感を覚える前に食べ過ぎることになります。 肥満を解消するために食事制限だけを長期間続けると、筋肉の衰え、 基礎代謝の低下、血糖値をコントロールするインスリンの働きの低下などの支障がでてきます。 そこでこれらの欠点を補うためには、運動を一緒に行うことが有効です。 運動と言っても特別激しいスポーツをする必要はありません。 毎日の生活の中でなるべく身体を動かすように気をつけるだけでも違いますが、 ダイエットを効果的に成功させるのには、もうすこし積極的に運動に取り組むとよいでしょう。 ダイエットに効果的な運動としては、 「歩く」 「走る」 「階段を上がる」などの有酸素運動があります。 これは体重の移動を伴いながらリズミカルな呼吸を繰り返し、 酸素をたくさん取り込みながら行う運動で、次のような効果があります。 ○エネルギー消費量の増大 ○基礎代謝の上昇 ○インスリンの働きの向上=糖尿病の予防と治療 ○心肺機能の維持増進 ○適性体重の維持 ○高血圧の予防と治療 ○善玉コレステロールの増加 ○血液循環の改善 ○筋肉や骨量、持久力の維持 しかし日頃運動不足の人がいきなりジョギングを行うとヒザを痛めたり、 心臓に過度に負担がかかったりしますので、 気軽に出来る運動として「ヨガ」をお勧めします。 ヨガは呼吸をしながら行う有酸素運動です。 有酸素運動とは酸素を取り込む運動の事で スポーツジムではウォーキングや、エアロバイク等が代表的なものです。 これらは20分以上継続的に行って初めて効果がでるとも言われています。 呼吸をする毎に酸素を隅々にまで送り血液を流す事によって 代謝を上げていきます。 それによって肥満の原因である冷えを解消する事ができます。 汗をかきにくい体質の方でも続けるうちに自然と体温が上がっていくのを感じると思います。 スポーツクラブ等で行われる筋トレとは違い、 ヨガでは遅筋という細い筋肉を鍛える事ができるので ボディビルダーのような大きな筋肉ではなく 細くしなやかな筋肉をつけられるので 体重以上にスッキリした見た目になります。 また、体は動かさないでいるとは硬く凝り固まってしまい その状態では、筋肉や関節の稼働域が狭くなります。 そこにハードなマシン等を使う事によって体を壊しかねません ヨガでは、ジムで使うような大きな機械は必要なく ストレッチに近い簡単な動きをゆっくりと呼吸を使いながら 自分の今ある筋力と重力を使って体をほぐしていきます そこから、ゆっくりと筋肉をつけて新陳代謝をあげていきます。 呼吸をする毎に老廃物を吐く息とともに吐き出し 自分の中心軸を意識する事によって 普段の姿勢が良くなるので、体重の変化以上に 見た目の美しさが上がります。